Vol.246 AIで4倍の市場を狙う The Revenue Acceleration Rules

2020.9.27

 

原題 The Revenue Acceleration Rules: Supercharge Sales and Marketing Through Artificial Intelligence, Predictive Technologies and Account-Based Strategies

著者 Shashi Upadhyay, Kent McCormick

売上を拡大するためには大企業との取引が必要だ。市場の大きさが4倍も違うのだから。
AI-Readyな会社になり大企業を攻略すれば、いち早く大きな市場が手に入るぞ。

…by神田昌典

今回の本で紹介されている手法をひと言で言うと、AI-Readyな会社を作る方法です。

AI-Readyとは、内閣府が提言している言葉で、
AIを使って医療、交通、金融など社会インフラをリニューアルすることによって、生産的な社会を作ろうというもの。

これを会社に応用するにはどうしたらいいのかが、今回のテーマになります。
今やAI-Readyな会社、あるいはAI-Readyな人になれるかどうかが、未来に得られる可能性の大きさに直結します。

AI-Readyな会社は売上を上げることに重点を置きますが、そのために重要なのが「ABM (Account Based Marketing)」。
MA(マーケティングオートメーション)を大企業に活用できるようにする技術分野が、ABMなのです。

大企業との取引は関係ないと思っていても、大企業のアカウントに入れるかどうかが、
市場の4/5を取れるかどうかに関わっているとの事で、これは外せません。

フリーランス市場は伸びてはいるものの、SME(Small Medium size Enterprise)と呼ばれる
零細・小企業を対象にするだけでは、1/5の可能性しか開拓できていないのです。

したがって、継続的に成長するためには、大企業のアカウントを取ることが重要なポイント。

しかし、大企業のアカウントを取るのは、年々難しくなってきていると言います。
それは、従来主流であった、あの方法が効かなくなってきているから。

そこでAIを活用して、膨大なデータを社内、社外、業界のデータを組み合わせながら分析し、
さらに担当者が経験と照らし合わせて提案内容を考えることによって、大企業を攻略しようということなのです。

コロナの影響で、リモート営業が当たり前になった結果、フィールドセールス(外回り)は不要になりつつあります。
それに代わるものが、AIとあるものの組み合わせ。

その他にも、この本では、AI-Readyな会社を作るために必要な準備や、
予測テクノロジーで売上を伸ばす10のステップについて、詳しく解説されています。

神田さんは、中小企業の社員は、実践値はあるが、デジタルの経験が抜けていると言います。
そして、現状にとどまろうという現状維持バイアスが強いとも。

いっぽう、大企業はここ数年で、デジタル変革に得意な人を雇い、AI-Readyのステップに入り始めたとの事。

この本は2018年に出版されていますが、日本は今ようやく、この本の内容を実践する段階にきているそうです。

アメリカでもデジタルトランスフォーメーション支援の会社は急成長しています。
この本では、数年先を行くアメリカのノウハウが手に取るようにわかります。

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