Vol.249　世界の大麻ビジネス最前線　Cannabis Capital

Vol.249　世界の大麻ビジネス最前線　Cannabis Capital

2020.11.1

原題 Cannabis Capital: How to Get Your Business Funded in the Cannabis Economy

著者 Ross O’Brien

この本は、日本ではまず翻訳されないだろう。
しかし世界では合法的な大麻ビジネスが非常に注目を集めている。
そしてこの本は、大麻ビジネスを題材にしているが、その本質は資金調達の教科書だ。
…by神田昌典

タイトルを見て、驚かれた方もいるのではないでしょうか？
今回紹介する本は、日本では非合法の「大麻」を扱っています。

大麻というと、芸能人が逮捕されるなど、社会的な問題として取り扱われ、タブー視され、
口に出すのもはばかられる状況ですが、世界の情勢は少し違います。

カナダやウルグアイでは合法化されており、アメリカでも合法化の動きがあります。

大麻とひと口に言っても、ビジネスとしての利用が注目されているのは、大きく２つの分野。

日本でも、戦前は大麻が普通に使われていたようですが、
戦後GHQにより禁止され、現在に至るまで厳しく取り締まりの対象になっています。

この本には、大麻をめぐる世界の状況と流れが詳しく書かれているのですが、それだけではありません。

面白いのは、ビジネスだけではなく、ベンチャーキャピタリストの立場から
大麻ビジネスを題材に資金調達の方法を教えている点。

ベンチャーキャピタリストがどのように投資判断をするのか、
出資される側がベンチャーキャピタルからの資金調達をきっかけに、どのように会社を伸ばせばいいのかが、
ユニークなストーリーを元に、わかりやすく解説されています。

神田さんは、大麻ということを除けば、すべてのビジネスに当てはまる資金調達の教科書だと言います。

そして、この機会に、ベンチャーキャピタルの在り方、
ITではない全く新しいビジネスが世界で注目されていることを知れば、
自分たちのビジネスを見る目が変わると思うと。