Vol.81 『The Signal and the Noise』
2013.10.25
非常に読み応えのある一冊。ここからいろんな発想、
イマジネーションが湧いてくる一冊である。
…by 神田昌典
予測にしても占いにしても、それにとらわれ過ぎないで
あくまでツールとして考え、より賢い判断を下すことが大切です。
…by 井上久美
本日ご紹介の『The Signal and the Noise』は、
世界を震撼させ、ビッグ・データ時代の預言者ともいわれる
ネイト・シルバー氏の一冊です。
スポーツと政治の領域のデータ分析に関して
圧倒的な実績を誇るシルバー氏。
シルバー氏が有名になったのは、
PECOTAという野球の統計データの分析モデルを開発したこと。
メジャーリーグで活躍が期待できるマイナーリーグの選手を特定するもので、
その非常に高い精度が評価されて、
「 マネーボール 」で有名になった、野球データ分析会社
「 Baseball Prospectus 」に買収されました。
また、さらに名声を挙げたのが大統領選の予測です。
自身の政治ブログ「 FiveThirtyEight 」では、
世論調査や経済データを分析・解析し、
オバマ大統領選の
50 州中の 49 州 ( 2008 年 )、
50 州中の 50 州 ( 2012 年 )と、すべての予測を的中させました。
本著は、神田が冒頭で伝えているように、
日経BP社より、来月11月末に『シグナルとノイズ』として発売予定です。
来月には翻訳書がありますが、
1カ月早く聞く価値のある内容となっています。
神田自身、本書を
「読み応えのある一冊で、翻訳が出たら翻訳書も改めて読みたい。
この本の予測方法を学ぶことで、専門家の意見に惑わされることなく、
実際に事件や出来事が生じた際、柔軟に動くことができるようになるだろう。
本当の意味での知性が身に付けられる一冊だ」と言っています。
ビッグデータ時代においては、
「多くの書籍や記事で、いかにデータを集めるか」に
注目が集まりがちですが、
シルバー氏の考えに基づけば、
「膨大な情報には、より多くの役に立たない”ノイズ”が含まれ、
真実 = ”シグナル ”が必ずしも含まれているとは限らない」
ということです。
どんなにデータが増えても、数字が自らを語ることはありません。
データを欲する前に、自分たち自身をより深く理解し、
イマジネーションを基にした自分への問いが必要になります。
その問いさえ適切であればデータを理解し分析できるといいます。
では、いったい、予測を的中させるイマジネーションとは何か?
あるいは、なぜ、多くの専門家たちの予測は的中しないのか?
今回は世界を震撼させる分析者 ネイト・シルバー氏の洞察の秘訣、
そのエッセンスをお届けします。
「実学M.B.A.」のメンバーは、神田昌典による本書の紹介&日本での活用アイデアを、こちらからお聞きいただけます。
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