Vol.238 格差社会のビジネスで知っておくべきこと The Velvet Rope Economy
2020.5.24
原題 The Velvet Rope Economy: How Inequality Became Big Business
著者 Nelson Schwartz
アメリカの格差社会に見られる「それほどでもない差」には意外な秘密があった。
日本はアメリカほど格差が広がっているわけではないが
リモートワークが進む中でリーダーが知っておくべき共通したポイントがそこにはある。
…by神田昌典
今回ご紹介するのは、「格差」がいかに大きなビジネスになるかをレポートした本です。
「ベルベットロープ」というのは、「ここから先は上流階級の場所」というように、階級を分けるロープのことです。
格差社会の話はアメリカの事例であって、日本にはあまり関係がないと思われるかもしれませんが、
神田さんは、コロナと共生する社会という観点から、極めて示唆に富んでいると言います。
アメリカでは、格差社会は寿命にも影響していることが判明しており、
トップの1%の人は、貧乏な1%の人よりも、●年も長生きするそうです。(2016年の研究より)
格差を示す事例の1つとして、アメリカのシーワールドの関連施設、ディスカバリー・コーブが紹介されています。
ここは、とてもゴージャスかつ高額で、1日1300人しか入れないそうです。
他にも、ヤンキースタジアムの席やクルーズ船のレストランの例が挙げられていますが、
意外にも、その差はそれほど大きく感じられません。
そこには、格差社会を抱えるアメリカならではの秘密が隠されていたのです。
このポイントを押さえておかないと、「差別化」が仇になる危険性があります。
著者は、このような格差を生み出している原因が、私たちにも馴染みのある、
あのテクノロジーであると指摘しています。
さらに、それがどのように作用して格差を生み出し、
ビジネスへと展開されるのかというメカニズムが、詳しく解説されています。
また、アメリカでは、中間所得層が少なくなった結果、ショッピングモールが死に体になっています。
このことによって引き起こされた社会的な問題が、
コロナ後、リモートワークが加速する日本社会にも起こりうると、神田さんは指摘します。
そして、それに対応できた会社が、より強い会社になるのだと。
「実学M.B.A.」のメンバーは、神田昌典による本書の紹介&日本での活用アイデアを、こちらからお聞きいただけます。
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