Vol.257 内なる声を制御せよ Chatter
2021.2.28
原題 Chatter: The Voice in Our Head, Why It Matters, and How to Harness It
著者 Ethan Kross
心の内なる声に関する心理学の本だが、その内容から、SNSは終幕に近づいていることを確信した。
SNSが完全に無くなるわけではないが、今後、新たな展開が予想される。
…by神田昌典
今回の本は、自分のインナーボイス=内なる声がいかに重要か、
そしてそれをコントロールする方法を知っておくことによって、様々なトラブルが解消できるという内容です。
心理学の本なのですが、神田さんはこの本を読んで、SNSはそろそろ終盤に近づいていることを確信したそうです。
この本によると、インナーボイスは深刻で、ストレス下では止めようがなくなり、
邪悪な心を表し、ネガティブに極端に傾き、批判者になってしまうのだとか。
「今を生きろ」という言い方もされますが、調査によると、全ての人は過去や未来のことを考えているとの事で、
現在のことを考えている割合はごくわずか。そのことが具体的に示されています。
また、インナーボイスが1分間に交わしている語数にも驚きます。
これは一般的な大統領の教書演説よりも、はるかに多いのです。
勝手に行われる心の会話を、どうコントロールすればいいのか? なぜ心の会話が行われているのか?
この疑問に真っ向から向き合ったのが、この本です。
著者は、内なる会話は脳の構造と切っても切り離せないことから、
様々な実験結果を踏まえ、具体的な対応策を紹介しています。
対面での対話では、話していて相手が傷ついたとわかるとトーンを弱めますが、
インターネットコミュニケーションでは、相手の顔も見えない、声の調子もわからないので、
自分の内的な声を一方的に社会に向けて発信することになります。
神田さんは、内なる声をチャットに書き、シェアされるのは快感だが、
一方で共感意識が欠如しているので、批判的な声を書くと別種の批判を呼ぶのだと言います。
さらに、2012年以降、社会の至るところで分断が起こっているのは、
SNSの悪しき部分が出ているという見方もされています。
インターネットのコミュニケーションは限界が来ている可能性があり、
SNSが悪い方向に流れれば、数年以内に社会の分断を加速するだろう。
その反動で、社会の調和、人間性を回復する活動が起こると思う、との事。
そしてコロナが明ければ、人々が出会う価値がもう一度理解され、
ご縁を深く理解した関係性が決め手になる時代が来る、
SNSが完全に無くなることはないが、新たな展開が議論されるのではないかと考えているそうです。
この機会に、SNSの投稿の仕方を一度、考えてみてはいかがでしょうか。
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