Vol.275 人事にも科学的手法を導入する時代 The Science of Dream Teams

2021.12.5

 

原題 The Science of Dream Teams: How Talent Optimization Can Drive Engagement, Productivity, and Happiness

著者 Mike Zani

メジャーリーグのStatcastと同様、人事も科学的にアプローチする時代だ。
特にリモートの時代だからこそ、戦略的な人事を活用できることは本当に有利だ。

…by神田昌典

今回はマーケティングの本ではありませんが、それ以上に役立つ本です。

ヒューマン・リソース・テクノロジー(HRテック)と言われる領域に関する内容で、
タイトルは「夢のチームの科学」。

副題は「人材最適化がなぜ仕事に対する熱意と生産性、そして幸福を引き上げていくか」となっています。

経営者や事業を見ているマネージャーにとって、人事はとても重要なテーマ。

この本は、単なるテクニックではなく、人材の最適配置と成長をどう組み合わせるか、
科学的に考えるノウハウが解説されており、神田さんも非常に参考になったそうです。

著者は、HRテックについて、映画の『マネーボール』と同じだとわかりやすく例えています。

『マネーボール』は、簡単に言うと、ブラッド・ピット演じる野球監督が、
今までの常識と異なる人材配置を行い、強いチームにしていったというストーリー。
それと同じことが、HRテックで行われているというのです。

この本で紹介されている、人事に関する内容の一部をご紹介しますと・・・

・人材が持つ素質を解析するテスト=PI(Predictive Index)とは?
・PIをやることでわかること
・PIは2問しかない簡単なテスト、5分以内に終わる
・採用、配置転換などで、よくある間違い
・人材の資質評価は、どの層から行うべきか?
・テストなしでもチームがうまく機能するための3つの質問
・組織を成長させる3つのステップ
・会社全体が大きく変わるときに昇進させるべき人の条件
・戦略と連動させるときにカギとなる言葉
・人材を育成する際に注意すべきこと
・階層化システム理論と、そのための質問

神田さんが人事制度を重視するのは、
マーケティング戦略を立案しても、それを実行できない人が上にいることがほとんどで、
若い人たちが新しい変化を起こしたくても起こせないからだとの事。

そのため、上と下をひっくり返すぐらいの組織替えをしないと、結果が出せないと指摘します。

さらに、日本的な年功序列の呪縛はあるものの、
このノウハウを活用することによって、誰にとっても働きがいのある職場は実現できると思う、
特にリモートの時代だからこそ、このような戦略的な人事を活用できることは本当に有利だと言います。

あなたも会社の人事について、科学的アプローチを考えてみてはいかがでしょうか。

 
 

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