vol.291 戦略的報酬体系に必要な5つの原則 Scaling Up Compensation
2022.7.31
原題 Scaling Up Compensation: 5 Design Principles for Turning Your Largest Expense into a Strategic Advantage
著者 Verne Harnish, Sebastian Ross
報酬体系は会社の成長と切り離せない重要な戦略の1つだが、日本にはなかなか関連書が見当たらない。
報酬を単に給与体系と捉えるのではなく、企業戦略の観点から考えることが重要だ。
…by神田昌典
今回ご紹介する本は、報酬に関する内容です。
戦略的に報酬を考えることは会社の成長に直結する分野ですが、日本ではほとんど類書がありません。
タイトルにある「スケーリングアップ」と聞いてピンと来た方は、かなりの勉強好きです。
実は今回、洋書トライアスロンVol.159『Scaling Up』と同じ著者なのです。
神田さんがこの本を重要視するのは、貧困問題・格差問題を作り出しているのは会社の報酬体系だという点。
そして、経営者が意識的に報酬を考えることで、自社が成長すると同時に、社会にも活かせるようになるといいとの事。
報酬体系には、うまくいくパターンとうまくいかないパターンがあり、
そこには5つの原理原則があると説明されています。
報酬体系は他社の成功事例をマネしてもうまくいかないので、
この5つの原則をしっかりと踏まえておくことがポイントだそう。
報酬は適用ランクを5段階に分けると分かりやすいということで、神田さんは日米それぞれのイメージ感を解説。
そのままマネしてもうまくはいかないのですが、根幹となる考え方を含めて、様々な会社の事例も紹介されています。
意外だったのは、アメリカでも、ある状況下においては年功序列が効果的だという点。
面白い事例として、本好きの社長が社員にも本を読ませるために導入した、報酬を伴ったある仕掛けが挙げられています。
これは、本だけでなく、オンライン講座の受講やマニュアル作成などにも応用できます。
他にも、報酬体系を変えただけで大きな成長を実現した事例が、いくつも出てきます。
また、ストックオプションという、社内で株を分け与える仕組みがありますが、
これには価値が希釈するという負の側面もあります。
その代わりとなる仕組みを導入することで、その日暮らしをしていた人たちが、自らが会社のオーナーになり、
自らアイデアを出して活動し始めた事例が紹介されています。これはなかなかユニークで、効果が期待できるアイデアです。
神田さんは、報酬を適切に変化させることは、会社経営者にとって非常に重要な戦略の一部だが、
今まで扱った本がなく、貴重な一冊であると指摘します。
あなたの会社の報酬体系は、どのようになっていますか?
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