Vol.85 『Numbersense: How to Use Big Data to Your Advantage』

2013.12.25

 

これからの時代、ビッグデータだとますます言われる中で、

数値について深い理解を与えてくれる、非常に良書だ。

…by 神田昌典

ビッグデータ時代の一種の警鐘を与えてくれる一冊。

最終的にはやはり、人間の倫理観に尽きます。

…by 井上久美

本日ご紹介の『 Numbersense 』は、

ビッグデータ時代で、どのように自分自身を

キャリアアップさせていくのか、

自身の仕事を活用していくかについて

描かれています。

今年 7 月に出された総務省の「情報通信白書」によれば

ビッグデータをフル活用した場合には、

現状でも年間 7 兆 7700 億円の経済効果が見込めるといいます。

ビッグデータが非常に注目されていることは、

クラウド系企業のグーグル、アマゾン、イーベイなどの

戦略を見ても明らかです。

昨年の米ヤフーの CEO に就任以来、株価を2倍に上げ、

見事にヤフーブランドをよみがえらせた、

元 Google UI / UX 担当副社長のマリッサ・メイヤー。

メイヤーの組織改革の手腕と同時に、

就任以来次々買収したスタートアップのほとんどは、

ヤフーのビッグデータをより充実させる

ソーシャル的なサービスか、

集めたデータを解析するための技術と人材を集めています。

また、アメリカの出版事情を見ても昨年から

非常にビッグデータに関する書籍が多数、

出版されるようになっています。

その中で、新たな職業として注目されているのが、

データサイエンティスト。

米調査会社ガートナーによれば、将来的に米国内では

データサイエンティストが約 25 万人不足すると予測されていることもあり、

その人材確保を巡り、企業間での獲得競争が激しくなりつつあります。

日本でも、その人材不足から育成支援プログラムを

文科省や経産省で取り組みがはじまっています。

統計教育大学間連携ネットワーク

http://www.jinse.jp/

ビッグデータとはデータが多くなればなるほど、

「データが物語る」とされ、セオリーが必要でなくなる―。

そのため、あとはコンピュータにデータを入れて結果を待つ、

何が原因で何が結果ということすら必要ないという、

そういうものだと認識する向きもあるかもしれません。

しかし、統計家の著者からすると、それは一種の誤りであるといいます。

データが多くなればなるほど、データ処理はより複雑になり、

人間による分析こそが、やはり非常に重要になると語っています。

そのデータ分析の誤検知や失敗事例として、

アメリカの航空事情や、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の教育に関する取り組み、

ロースクールを取り上げています。

この誤検知や認識の誤りなど、統計上のマジックを乗り越えるものとして、

分析者の大切な要素「ナンバーセンス」を記したのが本書です。

このナンバーセンスとは、

数字のストリームを見たときに頭の中でノイズを察知し、

これはおかしい、この数字は間違っていると感じることのできる

スキルであるといっています。

それではいったい、ビッグデータを扱う組織や企業が陥る落とし穴とは

どのようなものなのでしょうか?

今回は、ビッグデータ時代における、分析者として大切な

ナンバーセンス、そのエッセンスをお届けします。

「実学M.B.A.」のメンバーは、神田昌典による本書の紹介&日本での活用アイデアを、こちらからお聞きいただけます。

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