Vol.70 『How to Create a Mind: The Secret of Human Thought Revealed』
2013.5.10
私がとても尊敬しているレイ・カーツワイル氏の原書。
この本を読むと、脳が拡張させられる印象を受けた。
10年、20年に渡り大きな影響を与えていく一冊だ。
…by 神田昌典
愛はneocortex(大脳新皮質)の最大の発明である。
より人間として、よりよく愛に満ちた生き方を
追求していくことこそが、人間の進化ではないでしょうか。
…by 井上久美
本日ご紹介する『 How to Create a Mind 』は、
人間の心(脳)がどのように作られるのかを明らかにした一冊です。
著者のレイ・カーツワイル氏は、スキャナー、テキスト音声変換装置、
OCR、シンセサイザーなどの発明で「20世紀のエジソン」と呼ばれ、
また未来予言者としても、これまでテクノロジーと人類の未来に関する
数々の予言を的中させてきた人物です。
日本でも、『 スピリチュアル・マシーン 』や
『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき 』
などの翻訳書が出版されており、
ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
最近、海外ではカーツワイル氏の指数関数的成長や収穫加速の法則、
技術的特異点(シンギュラリティ)などの概念に改めて注目されています。
先月発売のWired誌 UK版 2013年5月号の表紙を飾っており
最新の情報技術を学んで人類に貢献する手助けを行う大学
シンギュラリティ大学について記載されています。
カーツワイル氏は、心(脳)を作られることを理解する前に
「進化」について考察する必要があるといいます。
たしかに、進化の歴史をたどれば、原子から分子へ。
その分子構造が10億年を経てDNAに。
DNAから、ニューロン、神経、そして脳へと続きます。
この脳の研究を推し進める先にあるのが、
「人間とは何か」という探求へとつながっているのです。
多くの脳科学者は、脳の「複雑さ」に着目していますが、
カーツワイル氏は、むしろ逆に、
その脳がいかに「シンプルなパターン」によって作られているか?
そこにこそ、その探求のカギがあるといいます。
脳はどのように機能するか、その「パターン」がわかることで、
脳自体をより優れた臓器に、脳より優れたマシーンを作ることも可能。
人間を取り巻くコンピュータの環境が指数関数的に加速化し、
「ムーアの法則」がこのまま継続していくならば、
2020年代には、一つのチップがネズミ一匹の脳の計算能力を上回り
2030年頃には人間の脳を完全にシミュレートし、追い越す。
2050年代に入ると、一つのチップで全人類の脳の速度に追いついてしまう。
その時代では、人間とコンピュータの区別をつけることができなくなり、
人間という存在自体が、今までの人間と違ったレベルにシフトしていく
といいます。
今回は、稀有な知の巨人・レイ・カーツワイル氏の知性と
未来のテクノロジー、そのエッセンスをお届けします。
「実学M.B.A.」のメンバーは、神田昌典による本書の紹介&日本での活用アイデアを、こちらからお聞きいただけます。
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