トランプ訪日は、2018年の序章
2017/11/12
主演女優賞は、イバンカ・トランプ
鈴木:今週、トランプ大統領の初来日ですが、神田さんはどう見ていますか?
神田:つくづく日本は演出に弱いよなぁ、というのが第一印象。
ハリウッドのスターが新作映画のキャンペーンをしにきたと思えば、
トランプと安倍首相の一挙一動が、よくわかると思うよ。
ゴルフを一緒にまわったり、「MAKE ALLIANCE」と刺繍された帽子をプレゼントしたり。
主演女優賞は、やっぱりイバンカ ―― 。
華やかな彼女の登場で、一気にトランプ歓迎ムードになっちゃった・・・。
鈴木:なるほど、たしかにイバンカがテレビ画面に出た瞬間、
ドラマがはじまるかのような感覚がありました。
では、これから、どんなドラマがはじまるのでしょうか。
神田:この一連のドラマが向かう先は ―― 明らか。
「憲法改正」だよ。
総選挙で自民党が圧勝した結果、安倍政権は、来年には改正を発議。
それから60日から180日以内に、国民投票が実施されることになる。
歴史的な決定がなされるタイミングなんだけれど、驚くほど静かだよね、日本は。
実際に改正されるまで、それが、どんな意味をもつのか、ほとんどの人は理解できない。
鈴木:憲法改正とは、具体的に、どう改正されるんですか?
神田:はい、ポイントは、大きく2つです。
一番目は、自衛隊の合憲化。
二番目は、教育の無償化だよ。
もちろん一番の争点は、自衛隊を「国防軍」としていくかどうかだけれど、
当然、「国防軍」という言葉は出さないでしょう。
「自衛隊を合憲にしないと、自衛隊員の命が守れない」というロジックを
全面的に展開していくはずだよ。
私が安倍首相だったら・・・、ゴルフをまわりながら話す内容は、
「米国・日本・中国ですでに事務方で話し合っている北朝鮮問題。
ようやく落としどころが、見えてきましたね」
「憲法改正発議とタイミングを合わせますので、
そのときは全面的にバックアップを」といったところ。
つまり・・・、
北朝鮮問題の解決と、憲法改正のスケジュールとは、
同じシナリオのもとで動いているんだ。
だからね、これから起こってくることは、ぜーんぶ、
憲法改正へ行き着くこととして考えると、その意味がわかりやすい。
平和のための、最高の発明は、何?
鈴木:でも、憲法改正したら、戦争が起こるのでは?
神田:戦争が引き起こされるときは、
不況を脱却しなければならないときや、若い人口が多いとき。
そのままでは政府が転覆されてしまうから、
敵をもうけて、目をそらすという意図が大きい。
いまは高齢化が進んでいるし、好況だから、どの国も戦争を起こす理由がない。
緊張感は維持しながら、戦争が起こらない平和なときが続くのが、
米国にとっても、日本にとっても、ベストなんだ。
だからね・・・、
そういう意味で、トランプは最高の大統領。
スクリーンに、恐怖と緊張感をつくりだす、見事な俳優。
鈴木:トランプ大統領は、意図的に「演じて」いるんでしょうか?
神田:いや、無意識で、集合無意識に突き動かされている。
安倍総理も、意識的ではなく、時代の担い手としての役割を全うしようとしている。
もはや彼の動きは、ひとりの人間の域を超えていると思うほどだよ。
だって、人間としての運勢をみたら、この間の解散総選挙 ―― 完全に不利。
負け戦に突入するほどの覚悟が必要だったよ。
鈴木:戦争は、いまは起こらなくても、今後、歯止めがなくなるのでは?
神田:私は、別に改憲派ではないよ。
でも、2015年以降、ほどなく憲法が改正されるというのは、2007年から予想してきた。
歴史サイクルから分析すると、それは必然的なんだね。
だからこそ、私たちひとりひとりが賢くならなければ。
「戦争」の対義語は「平和」じゃなくて、「対話」。
無知による拒絶が、争いを起こす。
ビジネスをつうじて、緊密な関係を築けば築くほど、
利害が大きすぎて戦争できなくなる。
だからビジネスは、平和のための、最高の発明です。
すでに描かれている、未来図
鈴木:こうした時代の節目で、私たちは、どう行動していけばいいのでしょうか。
神田:恐れによって、洗脳されるのではなく、豊かな未来に生きることをイメージし、
それに向かって、誇り高く、いい仕事をすることが大切だよ。
数年後の未来は、もう今とはまったく違う。
・平成の世が終わり、新しい年号のもとに生きている。
・東京オリンピックが開催されている。
・新憲法が公布され、日本は自衛軍を合法的に保持している。
・教育は無償化されている。
・北朝鮮問題が解決されている。
世界は表面的には数多くの困難を抱えているけれど、
内実は、日々ものすごい豊かになっていく。
鈴木:具体的には、何をすれば?
神田:ヒントは、安倍総理がプレゼントした帽子にある言葉。
「ALLIANCE」だよ。つまり「同盟」だね。
この一言を、意識し実行すれば、
誰にとっても、理想的な未来からの援軍が訪れてくるよ。
トランプと安倍総理 ―― この二人の日本での動きは、
未来が見事に体現されているじゃないかと思う。
来年、いよいよ歴史が動くよ。
そのときのために、いままで準備してきたんだから、
私たちも、進化すべきときだよ。