前書き公開[2] 「買収起業」完全マニュアル ベンチャー立上げリスクを回避する「新・起業法」
2021/6/10
● あたかも現場にいるような臨場感で、学べるM&Aノウハウの数々
今まで業界内部者だけが知っていた、複雑かつ難解なM&Aノウハウを、
部外者にとっても、極めて分かりやすく公開しているのが、本書である。
たとえば、ここで開示されているノウハウ例をあげれば、次のとおりだ。
・買収金額を判断するSDEとは?(P60)
・価値創出のケーススタディと近道(P71)
・M&Aに適する意外な業種(P107)
・成功率の高い、買収先の企業規模は?(P119)
・なぜマンションの頭金程度で、年商数億円の黒字企業が買えるのか?(P124 ナンシーの事例)
さらには、
・買収候補先を明確にするターゲットステートメントの具体例(P134)
・銀行が融資を判断する際の、大きな秘密(P167)
・初回面談の進め方(P229)
・資産売却か株式売却か?(P299)
・見逃しがちなオペレーショナルデューデリジェンスとは?(P340)
・買収成立後、初日から90日間で、何を行うか?(P356)
このように本書では、買収前の候補先選定から、交渉プロセス、買収後の統合戦略に至るまでの、
全ノウハウが凝縮され解説されている。
「米国のノウハウだから、日本に応用する際には、だいぶ勝手が違うのでは?」と訝しんだが、
実際に読みはじめると、不安は一掃された。
「買収後の初日は、経営者は率先して、会社を既存社員たちと掃除をすることからはじめるべき」などの、
日本と共通する経営ヒントに溢れているので、頁をめくりはじめれば、
あたかも企業買収の現場にいるかのような臨場感とともに、一気に読めてしまうだろう。
しかし、なぜ今まで、こうした知識が広がってこなかったのか?
理由は、2つ。
まずは、年商30億円以上の年商規模でないと、企業M&Aとしては小粒の案件となってしまうので、
仲介業者にとって、事業としての旨味がなかったため。
もうひとつは、会計・税務・法務などの専門家が正確に解説しようと努力すればするほど、
投資判断が複雑になってしまい、買い手にとっての障壁が高かったためだ。