デジタル時代の、マーケティングの盲点とは?
2017/9/6
デジタル・マーケティングの盲点
鈴木:早速ですが、これから1年のビジネスを成長させるうえでの
重要な課題をお伝えしたいとのことですが・・・、それは何でしょう?
神田:実は、デジタル営業時代の盲点に気づいちゃったんだよ。
いま営業に革命が進行中なんだ。
やろうと思えば ——、爆発的に売上をあげられる時代になったんだ。
顧客獲得の自動化(マーケティング・オートメーション)により、
集客の一連のプロセスが明確になったんだね。
だから、事業を成長させようとするなら、
一気に、年商5億円、10億円の壁を越えられるようになった。
これまでは、道なき道を進まなければならなかったんだけれど、
いまは、山頂にいくまでの標識が掲げられ、階段が築かれてしまったんだね。
その結果、会社を成長させるために、必要なのは運や才能ではなく、
「決意」と「実行」になったんだ。
鈴木:神田さんが監訳した『アクセル』を読むと、
0から年商100億円まで成長させるための、営業プロセスが明確になってますね。
「デジタル営業の、最強の教科書」という副題はまったく、そのとおりで、
私自身の仕事のやり方が変わりました。
神田:すごい本だよ、『アクセル』は。
営業スタッフの採用から、教育プログラム、さらにはブログ執筆チームの構築法まで、
あらゆる観点から、最新営業ノウハウが網羅されているからね。
しかしね・・・、
実は、この本には、「盲点」があるんです。
この盲点に気づくと、愕然とするよ。
気づかないと、組織の分裂に向かって走り出してしまうからね。
鈴木:その盲点とは ——?
神田:実は、マーケティング・オートメーション(MA)なんです。
鈴木:「神田さん、先ほどMAによって売上があがるって言ったじゃないですか〜?」
神田:はい、言いましたよ。しかし実は、それが盲点だったのです。
これから大事なことを言いますから、よく聞いてくださいよ。
ある会社が、MAを導入すれば、そりゃ他社より、効率的に顧客を集めはじめます。
デジタルツールは、あなたの営業だけを効率化するわけじゃない。
神田:でも、もしライバル会社が、同じデジタルツールを導入したら、どうなります?
鈴木:・・・。なんか、人工知能の、アルファ碁同士の対戦みたいに・・・。
神田:そう、今度は、コンピュータ同士の競争になるから、
価格競争を、猛スピードで行うようになるわけ。
これは、熾烈な戦いだよ。
最近、ある業界で、1社が市場価格の半値の広告を出したところ、即座に、さらに2社が追従。
その後、1ヶ月も経たないうちに、今度は、その1社が「無料」を打ち出した。
つまり! 私たちは価格競争に残る1社以外、
誰も儲からない状況へ向かって高速で、走り出していることになるんだ。
営業のデジタル化を急ぐ会社は目先の売上を追うばかりに
崖に向かって、猛ダッシュすることになる。
すると社員は、会社は、どうなると思う?
鈴木:・・・・それは・・・(汗)
当然、疲れ果てますね・・・。
神田:はい、そして、「機械」の導入で、加速する準備ができていない会社は、
分裂してしまう。バラバラになってしまうのです。
これが、会社がアクセルを踏む際の、盲点です。
加速しても、バラバラにならない組織の、2つの条件
鈴木:では、デジタル化をするよりも、アナログに留まるほうが賢いですね。
神田:まぁね。諦めちゃった会社は、たしかに、そのほうが気楽だよね。
ただデジタルに乗り遅れる会社は、ゆっくり衰退する道を選んだようなものだから・・・。
鈴木:では、未来に生き残りたい会社は、どうしたら?
神田:順番があるんだ。
マーケティング・オートメーションなどの「機械」を導入する前に、
経営者が確認しておくべき、とっても大事なことが2つある。
第1に、あなたの会社の「ビジネスモデル」が、価格競争に陥らないように、
「独自の強み」に基づいているか?
第2に、成長を加速しても、社員同士の結束が揺るがない、堅固な「企業文化」があるか?
第1の「独自の強み」を見出した会社は、未来に向けて生まれ変わる。
高齢化社会の本格化、そしてアジア市場が爆発する時代に向けて、
大きく未来に向けて成長する礎を手に入れるんだ。
たとえば、私たちの仲間の会社を例にあげれば、神戸の数店舗の美容室「TICK TOCK」は、
小顔カットという分野で特許を取得し、ステップボーンカットという技術を核に、
世界展開をはじめた。
また「富士そば」は、日本そばは、海外では受けないという常識を覆して、
台湾、フィリピン、シンガポールで成功を収めた。
こうした挑戦する会社の突破口は、どこにあったかといえば、
自分たちでは気づかない「独自の強み」を発見してきたからなんだ。
独自の価値を探索する技術
鈴木:なるほど。「独自の強み」は、自分では見えないのですね。
それは、なぜですか?
神田:空気と同じように、当たり前すぎるものは見えない。
独自の強みは、その会社にとって、空気のようなものだから、わからないんだ。
鈴木:では、それを見出すには、どうすればいいんですか?
神田:てっとり早い答えは、“フューチャーマッピング”だ。
フューチャーマッピングを使った「価値探索セッション」では、
社員みんなで、共感できる、未来に向かう、ひとつのストーリーを描くんだね。
すると、その物語を完成させるには、
ひとりひとりの社員が能力を発揮しなければならないわけだから、
そこに、会社全体としては、何を“強み”としてもっているかが、
自然に浮かび上がることになるんだ。
鈴木:社員ひとりひとりが共感できる物語を描くと、
たしかに、社員全員が能力を発揮するような“テーマ”を、会社は掲げることになりますね。
神田:そう。そして、こうして未来に向かうテーマ、
つまり会社のビジョンが、ストーリーをとおして明確になってくると、
同時に、その会社が持つ「企業文化」も、同時に浮かび上がってくるんだ。
なぜだか、わかる?
鈴木:・・・社員が物語を続けるためには、それぞれの関係を成り立たせるための、
「ルール」が必要で、それが「企業文化」ということですか?
神田:そのとおり!
鈴木:デジタルが加速するからこそ、
それを支えるアナログ的な組織力が必要になるんですね。
神田:そうなんだ。私、ここ数年、言い続けているんだけれど、
いまこそ結束力が必要なタイミングは、ない。
デジタル時代では、スピードが加速する。加速してもバラバラにならないためには、
“宗教的なほど、結束力の高い組織”が必要となるんだ。
鈴木:“宗教的なほど、結束力の高い組織”とは、
いま騒がれている「働き方改革」と、逆行するかのようですね。
神田:いや、逆行しない。
なぜなら、結束力の高い組織は、社員同士のコミュニケーションがスムーズ。
だから、無駄な仕事がなくなり、生産性が高くなる。
逆に、バラバラの組織は、ひとつの、新しいことすら手がけるのに永遠。
これから、会社の盛衰が、見事にわかれる1年になるよ。
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