成熟事業が、新・成長企業に生まれ変わる!? 今すぐ着手すべき、その方法とは。 みずほ総研 FORUM-M講演
2018/4/20
市場成長率が低い市場で、安定的にキャッシュを生む成熟事業は、
会社のシェアが大きければ、「金のなる木」を持っているということになる。
しかし、これから10年のうちに、その状況は一転。
「金のなる木」は「負け犬」に転落してしまう――。
3月28日、千代田区の一ツ橋ホールで開催された、みずほ総研の法人会員制度「FORUM-M」
(現名称・MIZUHO Membership One)の定例講演会にて神田昌典が登壇。
「シンプル事業が突破口をひらく」と題して行われたこの講演で、
神田は「これから未来に向かって、大きく成長する事業をつくるには」というテーマを掲げ、
約500名の会社経営者に向けて、
「生き残るだけでなく、輝き続ける成長事業に生まれ変わるためのステップ」を紹介しました。
デジタルマーケティングが台頭し、マーケティングの世界は一変。
ルート営業が全盛だった20年前は、
“見込客” “成約客” “上得意客” をとくに区別することもなく営業がかけられているのが普通でしたが、
現在は3区分どころか、単に見込客であっても
“興味を持っているか” “可能性がどの程度あるか” “実際に営業をかけるべきか” など、
非常に細かく分類することが可能になりました。
「マーケティングにデジタルが導入されたことにより、
顧客のすべての振る舞いは、刻一刻、計測されて数値化され、
それぞれの見込客へのアプローチの仕方が明確に示されるようになった」
と神田は解説します。
昭和の時代、新規事業を100億円にまで育てるというのは、
一代で成し遂げるのは難しいという印象でした。
しかし、現在では新規事業が100億円事業に育つのにかかる時間は、なんと7年。
「非常に加速している今、進化するか絶滅するかはこの数年が勝負です。
ついていけない会社はゆっくり衰退していきます。
ついていけないのは、デジタルマーケティングがわかってない会社。
なぜなら、若手が集まらないから」。
当日会場に集まった、みずほ総研「FORUM-M」の会員である参加者たちの大半は、
成熟事業の経営に携わっているとのこと。
「今の事業がどのくらい儲かっているかではなくて、未来に成長する収益の柱はあるか。
今の成長事業は、マネー型かプラットフォーム型。
しかし、まだまだ日本は過去のビジネスモデルが少なくない。
未来に成長するビジネスモデルへの準備ができているか、ということです」。
そして神田は、
「未来に似合う事業をつくるには、事業を圧倒的にシンプルに構成することが不可欠」と提言。
実際に事業をシンプル化したことで飛躍を遂げた4つの事例を紹介しました。
さらに、「新しい事業・成長事業をつくるために、
絶対に必要な“センターピン”は、ランディング・ページ」と説き、
今すぐに取り掛かることができる最初のステップが明確に提示されました。
昭和から平成を牽引してきた成熟事業の経営者たちに、
「新たに生まれ変わる道」が示された2時間。
「負け犬」に転落するわけにはいかない、これからの企業は、
今後どのように変貌していくのでしょうか。
「これは大きなチャンスです」という神田の言葉どおり、
驚くべき飛躍や発展も決して夢物語ではない――。
私たちの底力が試されています。