還暦を過ぎた世代にオススメの起業ネタは?
2016/10/16
現在63歳。
再雇用であと2年、65歳までは現在の会社で働く予定ですが、
これまで教育費や住宅ローンの負担が大きかったため、
老後の資金が心許なく、定年後に起業したいと考えています。
ずっと総務畑で、有力な資格や特技があるわけでもなく、
情けない話ですが、自分の強みや得意分野もよくわかりません。
フランチャイズの資料を取り寄せたりしていますが、
いまいちピンとくるものもなく…。
こんな私でもできる起業ネタはないでしょうか。
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【神田】
あなたの強み(コア・コンピタンス)はズバリ、あなたの年齢です。
いまの時代、年配の方だからこそ、得られるチャンスがあります。
具体的には、20~30代のWeb世代と、成熟分野でビジネスを起こすのです。
終身雇用制が崩壊してしまったいまの20~30代は、
知識やWebの技術はあるけれど、
ビジネスパーソンとしての経験が圧倒的に不足しています。
ピラミッド型の組織で働いたこともなければ、礼儀も教えられていない。
大企業に売り込む感覚が掴めないのです。
だから彼らの能力を成熟業界で発揮できるように、
あなたは彼らの仲介をしてあげる。
若手起業家にとっては、老舗企業と取引をしていること自体が
金融機関への信用になるし、
一度入り込んでしまえば、大きな仕事にもつながる。
一方、老舗企業は、ますますITに長けた人材が必要になる状況下で、
自社で採用・教育しなくてすむ。
双方にメリットがあります。
仮に、あなたがいままで大企業の一部署で真面目に勤め上げてしまった結果、
社外に役立つ人脈も、特別な技術も持っていないとしましょう。
それでも、あなたが若い人に提供できる価値は大きいのです。
古きものと新しきものの出会い、それ自体がビジネスチャンスです。
なぜならアイデアとは、いままで関連づけられていなかった、
異なるもの同士を結び合わせることだから。
それも極端なもの同士を結び合わせることができると、非常に強い。
60歳を過ぎてなお、こうして若輩者に相談できるあなたなら、
老舗企業と若手起業家という両極端をつなげられるはずです。
だから思い切って、若い起業家の勉強会に参加してみてはどうだろう。
予想以上に歓迎されますよ。
高度成長期をけん引してきた世代と、
これからの時代を開拓する新世代が出会うと、
とても面白いことが起こります。
あなたが参加することで、彼らも勉強になるのです。
若い起業家たちと付き合い始めれば、自分の子どもとも、
新たな大人の関係が始まります。
父親が起業で苦労している姿を見て、
子どもが「仕方ないな。オレがWebの勉強して営業してあげるよ」
ということになるかもしれない。
弱音を吐かずにがんばってきた父親の弱い面を見せることで、
急に家族が近づくことができるんです。
気楽に付き合える柔軟な60代を、みんな待っています。