どうしたら独立後の不安感を払拭できる?
2016/10/16
最近、勤めていたWeb制作会社を辞めて、
フリーのデザイナーとして独立しました。
辞めてみてはじめて、会社員時代は健康保険や福利厚生など、
恵まれていたなぁと実感しています。
今のところは、前の会社の取引先などから仕事の依頼がありますが、
まもなく40歳、妻子も居るので、
先のことを考えると不安で仕方ありません。
この不安感を払拭するには、どうしたらいいでしょうか?
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【神田】
まずは、独立後の典型的なパターンを知っておきましょう。
たとえば、あなたのようにフリーデザイナーとして独立したとする。
当初は不安もあったけど、いざ始めてみると予想以上に仕事が舞い込む。
フリーになると、顧客からの直接受注になるので、手取り額は大きい。
自宅で仕事ができるから、家族とより多くの時間を過ごせる。
顧客数も少ないから、一つひとつの仕事を丁寧にこなせる。
すると取引先も、あなたの仕事を喜んでくれる。
そして、仕事の評判がいいものだから、さらに仕事が舞い込む。
仕事を断ってしまうと、次が来ないのでは? という恐れのために、
気付かぬうちに自分がこなせる以上の仕事を抱えてしまう。
しかも職人気質で、お金にこだわるのは卑しいと思うから、
価格交渉もせずに安請け合いしてしまう。
締切に追われるようになり、手を抜くつもりなどないのに、
うっかりミスが増えてしまう。
すると、今まで信頼してくれていた取引先から、
クオリティに対するクレームが入り始める。
こういうときに限って、別の取引先からの入金が遅れたり、
何日も徹夜して仕上げた仕事の支払いを踏み倒されたり。
ふと預金通帳を見ると、あんなにあったはずの貯金が、
いつの間にか底をついている!
そこで生活のために、取引先から価格をたたかれても、
仕事を請け負わざるを得ない。
目の前は仕事の山。締切に追われ、
納品しても、「ありがとう」とも言われなくなる。
こうして好きだったはずの仕事が苦しみに変わっていく・・・
これはあまりにも悲しい。
このパターンを避ける方法は、大きく分けて3つあります。
1.ブランド人になる
2.チームで仕事をする
3.物販を開始する
私がお勧めするのは、3番目の方法。
フリーデザイナーが物販? と思うかもしれないけど、
時間労働に依存しない収入を得るには、物販は強力なツール。
たとえばフリーデザイナーだったら、
「デザイナー養成講座」をはじめて、それを教材化。
通信教育講座にして、自分のホームページで販売する。
受講生の中に優秀な生徒がいれば、アシスタントに抜擢したり、
その生徒に仕事を振ったりできるようになる。
すると、知らず知らずのうちに、チームで仕事をする体制が整う。
さらに物販により、生活費が安定的に稼げるようになると、
やりたくない仕事は請け負わずにすむ。
つまり物販を立ち上げると、
お金も人もすべてがきれいに回るようになる!
うますぎる話に聞こえるけど、
不特定多数の人々と、才能を分かち合う物販ができるのは、
このIT時代の大きなメリットであると考えてもいいではないかな?
独立してフリーになる方は才能があるために、
当面は何とか食べていけてしまう。
だから、なかなか自分の仕事を、
儲かる仕組みとして築き上げようとはしない。
ただ目の前の仕事をやり続けるだけでは、不安は消えない。
そして年齢が上がれば、
若いときと同じペースでは仕事ができなくなる。
だからこそ、生活に追われ、才能が枯れてしまう前に、
才能を引き継ぐ仕組みを築いてほしいのだ。