ドラゴン・スピリッツ

2012.1.25

 

たったひとりの男が、日本人に対する印象をガラリと変えてしまうことがある。
それは神田瀧夢 ―日本人として初めて全米3大ネットワーク、
ABCのゴールデンタイムで、リアリティー番組の司会に抜擢された俳優である。
彼は、“まじめなエコノミックアニマル”という日本人のイメージを、
“面白く、キュートで、不可能を可能にするサムライ”といったイメージに変えてしまった。

私は英語で苦労したから分かるのだが、
英語という言葉のハンディキャップがありながら、テレビカメラの前に立つのは、
恐ろしいほどの重圧に違いない。
それに対して、ひるむことなくひとりで立ち向かい、
聴衆を笑いの渦に巻き込んでいく姿は、りりしくも繊細で、世界を虜にした。

彼が司会を務める『I Survived A Japanese Game Show』は、全米で大ヒット。
ヨーロッパ各国を含む140カ国以上の国々でオンエアされている。
コメディーという分野で成功した初の日本人であり、
全世界で、渡辺謙に次いで最も知られている日本人俳優なのだ。

この成功の裏には、英語が十分に話せないまま35歳で渡米し、
160軒の事務所にことごとく断られ、
さらにアメリカに移住できたあとも9年間、地獄のような日々を乗り越えてきた、
強く、しなやかな精神力がある。
私たちは、彼の内面に見られる崇高な意志を、“ドラゴン・スピリッツ”と呼ぼう。

ぜひ、このインタビューをきっかけに、
自分はどのようなドラゴンを解き放つのか、イメージしていただきたい。

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