オンライン会議を楽しく ― 日経MJ連載「未来にモテるマーケティング」21/6/13号

2021/6/20

マーケッターのためのバーを開店した。

緊急事態宣言中になにごとかと思われるかもしれないが、実はオンライン上に開店したバー。
当社の顧客向けのイベントだ。

おかげさまで大盛況だったのだが、このイベントは社員同士で取り組んでも面白いので、参考までにご紹介したい。

「ザ・マーケッターズ・バー」は、一言でいえば、
楽しみながらマーケティングを学べるオンラインワークショップである。

一番の目玉は「A/Bテストの王様」だ。

A/Bテストは、広告のキャッチフレーズやUX、導線などを2パターン用意し、
どちらの反応が良いかを調べるテストである。

イベントでは、当社が実際におこなってきたA/Bテストをクイズ仕立てにした。

例えば、「顧客に送るテキストメッセージと動画メッセージ、どちらの方が顧客の反応が良かったか」
「広告のフレーズ。実績数値を出したものと、権威性を押し出したもの。どちらが反応が良いか」などといったことだ。

こうしたクイズをいくつも顧客に出題したところ、
「楽しくクイズに答えることで、ウェブマーケティングの実戦感覚を養うことができる」と非常に好評だった。

「SHOW ME THE MONEY」という企画もおこなった。

悩みを持つクライアントに登場していただき、バックグラウンドの異なる複数のマーケッターが、
オンラインで無責任にあれこれアドバイスをする企画だ。

例えば、高級な卵の売り上げを増やしたい養鶏場に対して、どうすれば上がるかを提案した。

すると、6次産業化に向けた長期戦略からパッケージデザイン、SEO対策まで、
多様なアイデアが飛び交い、場は一気に盛り上がった。

このような企画を、社内のリモート会議の時に少し取り入れて、
リモート会議をエンターテインメント化してみてはどうか、というのが私の提案だ。

少しでもウェブ会議の疲れを減らすには、会議に楽しいイベントを採り入れることが効果的だと私は考えている。

メリットは数多い。

例えば、持ち回りでA/Bテストクイズをつくるようにすれば、
クイズを作ろうというスタンスでA/Bテストをするようになる。

すると感覚ではなく、きちんとテストを設計して、ロジックで検証していくPDCAマインドが育っていく。

「SHOW ME THE MONEY」のような、皆でアイデアを出し合う会を開くと、経営者的な視点を持てるようになる。
メンバー同士のコミュニケーションの機会にもなり、協力関係も生まれやすくなると良いことずくめだ。

考えてみると、日本はスキルアップの機会が少ない。

米国の場合、雇用流動性があるので、
ある程度経験を積んだら、次の会社に移ることでスキルをブラッシュアップできるが、日本はそれができない。

だから、オンラインでも良いのでマーケティングスキルを研さんできる機会を提供すれば、
社員のエンゲージメントも上がるのではないか。

緊急事態宣言が続く今だからこそ、楽しい文化をマーケッターからはじめたい。

 

 

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