円滑なオンライン商談 ― 日経MJ連載「未来にモテるマーケティング」22/7/11号

2022/7/18

円滑なオンライン商談 ― 日経MJ連載「未来にモテるマーケティング」22/7/11号

オンラインで商談や説明会をする機会が増えている。
コロナ前のリアル商談では1時間の枠をとることが多かったが、オンラインでは時間が短くなり、標準は30分。

雑談なしに要件のみを伝えるので、悪気はなくても、自らの損得しか考えていないような印象を与えがちだ。
そこで、オンライン商談や説明会の典型的な3つの間違いを共有しておこう。

一つ目の間違いは、「ご質問はありますか?」である。
説明会でこれを言うと、たいてい手があがらず、静まり返る。

さすがに気まずくなり「ぜひご検討ください」とその場を締めくくるわけだが、
そういう商談や説明会は、顧客の反応は鈍い。

その代わりに使える表現が、「どんなご質問に、(私は)お答えできますか?」である。

こう聞くと「皆さんが質問を持つのは当然であり、お答えすることが私の喜びである」という好印象を与えるので、
チラホラ手が挙がることが多い。

結果、場が和らぎ、ひとりが質問した後は他にも質問が相次ぐことになる。

2つ目の間違いは、「どんな悩みがありますか?」「どんなことでお困りですか?」という
問題を聞き出そうとする表現である。

お客様が自社の問題を把握していれば答えが返ってくるかもしれないが、悩みや困りごとが整理できていない人は多い。
把握していたとしても、自分の悩みを答えると積極的に営業される可能性があるので、答えたくないと思わせてしまう。

そこで、代わりになる表現が、「(貴社の)○○という目標/計画を達成するうえで、
今、最も大きな障害になっていることは何ですか?」だ。

すると、達成したい目標を掲げて話すことで、売る側と買う側は対立するのではなく同じ側に立っている印象になるので、
答えてくれやすくなる。

相手が「障害」を明らかにしてくれるので、具体的な提案をしやすくなる。

顧客が求めるニーズと、
自社がもたらす価値を適合させる「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」を達成する上で優れ物の質問だ。

3つ目の間違いは、紹介依頼のときの表現。「友人・知人をご紹介いただけますか?」だ。

こう聞かれると、相手は「ちょっと思い当たらないなぁ」と反射的に断るか、
「思いついた時に連絡する」と言って永遠に連絡してこない。

代わりに使うべき表現は
「○○様はすでにこの商品の価値をご存じでいらっしゃいますので、ひとつお伺いしてもいいですか?
○○様が私の立場だったら、○○様と同じように本商品に興味をもつ方に出会うためには、
どんなイベントに参加されたり、どんな会社に連絡されたりしますか?」だ。

こうして周辺から相手が持つ知識や人脈を引き出していくと答えやすくなる。
あとは最後に「本商品に興味をもちそうな、どんな人をご存じですか?」と尋ねるだけだ。

以上の表現を使えば、気持ちのいい商談が体験できるはずだ。
オンライン商談で円滑な人間関係を作ることにも役立つので、ぜひ使っていただきたい。

 

 

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